キャリア3年の強打者に辛勝…王者・内藤、体格差生かす

防衛に成功し喜ぶ内藤=竹田津敦史撮影
 中国・上海での防衛戦が試合のわずか3日前で一転、東京開催に。そのアクシデントを乗り越え、内藤が辛うじて防衛を果たした。

 予想以上の強敵だった。挑戦者の熊はボクシングを始めてわずか3年とはいえ、12勝中、8KOを誇る強打者。ワンツーも実に素早く6回には右フックを食らってダウン。しかし内藤は身長で12・5センチ、リーチで14・5センチ上回る体格差を生かした。後半はややアウトボクシング気味に距離を取りつつ何とか手数を稼いだ。

 自国で戦えることになったとはいえ、突然の開催地変更という事態は、王者に少なからず動揺を与えたはずだ。前日の記者会見では「試合のことよりも迷惑をかけたことを申し訳ない」と言葉を詰まらせる場面もあったが、「いい試合をしてせめてもの償いを」とも誓った通り、王者として最低限の責任を果たした。

 次戦は、暫定王者ポンサクレック(タイ)との指名試合になる可能性もある。宿敵とは過去4戦で1勝2敗1分け。5度目の対決となれば、真価が試される大一番になるのは間違いない。(新田哲史)

(2009年5月26日21時17分 読売新聞)