朝鮮総連から不動産詐欺の元公安調査庁長官に懲役5年求刑

在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)から中央本部の土地・建物などをだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元公安調査庁長官・緒方重威被告(74)と元不動産会社社長・満井忠男被告(75)の公判が26日、東京地裁であった。

 検察側は論告で、「元公安調査庁長官という肩書を利用し、自らも1億円の分配を受けるなど、法曹関係者に対する信用を大きく失墜させた」と述べ、緒方、満井両被告に、ともに懲役5年を求刑した。

 緒方被告らは2007年3〜6月、朝鮮総連から4億8400万円の現金や中央本部の土地・建物をだまし取ったとして起訴され、公判で無罪を主張している。

 これに対し論告では、「現金の詐欺については捜査段階で自白している。緒方被告らが購入代金を調達できないことを知りつつ、中央本部の登記を移したことを認めた共犯者の供述は信用できる」と反論した。

 公判は、6月の最終弁論を経て結審し、7月16日に判決が言い渡されることになっている。

(2009年5月26日20時38分 読売新聞)